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老舗IT企業であるOracle(オラクル)が、クラウドインフラ事業の収益が今年度77%成長するとの堅調な予測を発表し、株価が大幅に上昇しました。この急騰は、市場関係者に大きな驚きを与え、AI需要を背景とした事業転換の成功を示唆しています。
Oracleは、クラウドインフラ事業の収益が2024年度に77%増加し、18億ドルに達すると予測。さらに、今後数年間で32億ドル、73億ドル、144億ドルへと急成長する見通しを示しました。これにより、株価は1日で40%以上上昇し、時価総額が数兆円規模で増加する異例の動きとなりました。
分析担当者であるJackson Ader(ジャクソン・エイダー)氏は、直近90日間の受注額が過去4年間の合計を10%上回った点を強調し、この成長が単なる期待ではなく、実績に基づくものであると指摘しています。
Oracleのクラウドインフラ事業(OCI)は、既存のハイパースケール事業者であるAmazon(アマゾン)やGoogle(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)との競争において、以下の優位性を持っています:
また、Honor(オナー)氏は、Oracleが自社でAIインフラを構築できない企業や国向けにマルチクラウドサービスを提供する点も強みと指摘しています。
AI需要の持続性については、市場で疑問視される声もありますが、Oracleの予測はバックログ(未実行契約)に支えられており、短期的な減速リスクは低いと見られています。Honor氏は、OpenAIなどの大規模な支出が続く限り、成長は可能だが、トレーニング資金の規模に依存するとコメント。
Jackson氏は、Oracleがクラウドインフラに加え、AIを組み込んだアプリケーション事業でも競争力を高めることで、長期的な利益が見込めると分析しています。
Oracleの成長予測は、クラウドインフラ市場の再編を暗示しており、Googleのクラウド事業規模を上回る可能性も示唆されています。しかし、今後の展開は、データセンター拡張のペースやNvidia(エヌビディア)製GPUの調達能力に依存します。
この動きは、老舗企業の変革事例として、他社にも影響を与える可能性があります。例えば、Dell(デル)などのAIサーバー事業者が今後の成長を期待されるなど、業界全体の活性化が予想されます。